「外資系」の領域の話
最近寒さも多少和らいできましたね。皆さまいかがお過ごしでしょうか。
今回は「外資系企業」について書きたいと思います。といっても、選考の話ではありません。よく日系企業と比較する形で外資系企業という区分が用いられますが、いったいどの企業が外資系企業に相当するのかという話です。IT分野ではIBMやマイクロソフト、コンサル業界ではマッキンゼーなどが外資系企業と呼ばれています。
さて、まず辞書的定義を調べてみましょう。以下ブリタニカ国際大百科事典の定義を引用します。
外資系企業
がいしけいきぎょう
foreign affiliate日本に進出している外国資本と関係の深い次の4種の会社の総称。 (1) 外国法人。 (2) 外国人が資本金を全額出資して設立した純外資会社。 (3) 日本の法人または日本人が,外国法人または外国人と共同出資して設立した合弁会社。外資系企業(がいしけいきぎょう)とは - コトバンク
定義を見る限り、会社を成り立たせる資本が外国由来のものかどうかということになります。外国法人や外国人の資本が入っている企業を外資系企業というらしいです。
この定義通りに企業を分類すると、上の例で挙げたマッキンゼーは外資系企業になります。日本におけるマッキンゼーは、McKinsey & Companyの日本支社となります。では、一般に外資系企業と呼ばれている会計事務所源流のコンサルティング会社(DeloitteやPwCなど)を考えてみましょう。DeloitteやPwCは合同会社という形態をとっています。そして経営は、日本の会社のパートナーが独自に行っています。この場合、外国の資本は特に会社を構成していないことになります。上記の定義に照らし合わせると、外資系企業に当てはまらないのです。もちろんこうした企業は世界中のメンバーファームと協働して業務をこなしていますが、定義としては外資系から外れます。
そう考えると、意外と外資系企業って少ないのかもしれません。私はコンサル業界くらいしか知りませんが、厳密に分類すると"なんちゃって外資"な企業もありそうです。別に外資系だから偉いとか日系は下だとかそういうことはまったくないのですが、調べてみるとイメージと違うこともあるものだと思いました。