人生短し走れよ私

人生のピークを過去に設定するにはまだ早いんじゃない?

俺はあいつを見返してやるんだ(2)

前回は動機付けの種類としてブラックエンジンとホワイトエンジンを紹介しました。前回の記事はこちらになります。

さて動機付けはこのように分けられていますが、私はこの分類は便宜上のものにすぎないと考えています。なぜなら、両者は比較的簡単に入れ替わることができるからです。例えば、お金持ちになるという例を考えてみましょう。単純にお金持ちになって贅沢な暮らしをするということであればブラックエンジン的な動機付けですが、お金持ちになって家族に楽をさせてやるだとどうでしょうか。彼(女)が天涯孤独であるならば話は別ですが、支えていくべき相手がいるのであるならば、こうした動機付けにもなり得ます。逆もまたしかりで、たとえ利他的な動機付けであっても、しばしば自己顕示のための行動である場合もあります。こうした行動は偽善と呼ばれたりもしますね。人間は2つのエンジンを持っているからこそ、その時々で目的意識は変化してしまうと思います。100%同じ動機付けで頑張れる人はあまり多くないでしょう。

また、何かに取り組んでいる途中で動機付けが変化する場合も往々にして起こります。行動しているうちに自分の視野や立場なども変化するので、それに伴って動機付けも変化するのは自然なことでしょう。そうすると稼働しているエンジンも変わってくるので、あまり明確な差はないのではないでしょうか。しかしながら、エンジンにはそれぞれ特徴があるように思います。

まず瞬発力や馬力の違いについてです。こちらに関してはブラックエンジンの方が大きいと感じます。バカにしたあいつを見返してやる、フった彼女を後悔させてやる、出世して大金持ちになるなどなど、これらの動機付けは持つエネルギーが大きいです。またスケールが自分中心なので成果が出たときの状態も想像しやすく、行動への大きな助けとなってくるでしょう。対照的に、ホワイトエンジンは少々瞬発力に欠けるイメージがあります。世のため人のため地球のためという動機付けは、題目としては素晴らしいですが、なかなかゴールが見えにくいです。また比較的スケールも大きくなりがちなので、目標達成時の姿も見えにくいです。そのため、カンフル剤のような動機付けにするのは難しいでしょう。

逆に継続性でいえば、ホワイトエンジンの方に軍配が上がります。ブラックエンジンは走りだしは良いのですが、燃料の継続投入が比較的困難です。また目標の達成のためにしばしば人の助けを借りる必要があることもありますが、ブラックエンジンの動機付けではなかなか賛同・共感を得ることが難しいです。しかしホワイトエンジンの場合は初動こそ緩やかですが、人の協力が得られやすい動機付けだと考えられます。したがって、持続的な行動や最終的な成功はしやすいかなと思います。

じゃあどうするのかという話はまた次の機会に。