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映画の感想『シン・ゴジラ』

久々の更新となります。まだ観ていない人はネタバレ注意です。

先日、今話題の映画のシン・ゴジラを観に行ってきました。監督がエヴァンゲリオンで有名な庵野秀明さんということで、私も少しだけ気にしてはいました。基本的にあまり映画館には行かないのですが、今回行こうと思ったのは官庁訪問中の会話があったからです。

官庁訪問中って基本的に暇なんですよね。面接と面接の間が数時間とかザラですし、軟禁状態なので特にできることもありません。みんな最初はパンフ読んでたり面接カード見直したりしているのですが、段々と雑談がメインになります。その中で一番の話題となっていたのがシン・ゴジラでした。

既に観ていた学生が口々に面白いと言うのです。彼らによれば、官僚や政治家の行動に注目すると楽しめるとのこと。特に理系の東大生が面白さを熱く語っていたのが印象的でした。とても勧められたので、官庁訪問終わったタイミングで友人たちと観に行くことにしました。

ストーリー全般について

私はそこまでゴジラについて詳しくなかったので、ミーハーな人間の感想になります。今の日本でゴジラが出現したらどうなるのかを描いた作品になると思いますが、様々な部分が凄くリアルでした。逃げずにゴジラの写真撮る人や動画投稿サイトなど、まあ現代人の行動様式に忠実に描いているなあと思いました。官僚や政治家たちの行動も非常に「それっぽい」ものになっていまして、有識者会議を開くだ何だと緊急事態に何やってるんだという印象を抱かせます。しかしながら、「これが文書主義である」という台詞が出てくるなど、政治や行政に関心のある人は単純に無能な政治家たちを描いているわけではないということが分かるような造りになっているのではないかと思います。観る人の知識によって描写の一つひとつから得られる情報が随分違うなと思いました。そういう意味ではエヴァンゲリオンとやや趣が異なるようで、ゴジラはストーリーを追うだけなら簡単ですが、わかる人はにやりとできる要素が盛り込まれていて、エヴァンゲリオンはストーリー自体がやや難解であるという違いがあるかなと思います。

ゴジラについて

いやあ絶望的な強さでしたね。どんどん形態が変化するのですが、最初は何だあの芋虫とか思ってました。私たちの見たことのあるゴジラになった辺りからもう勝てなさそうなオーラが溢れてました。ヘリコプターの機関銃なんか全然効かないし、米軍のB-2も一瞬で粉砕するし。ぶっちゃけると、官庁訪問ダメだったので霞が関を火の海にしてやれと思って観てたのですが、いざ焦土の中でゴジラが仁王立ちしているシーンでは恐ろしさしか覚えませんでした。アホなこと考えてたなあと後悔までしました。それに対抗する人類の叡智もこれまた凄いのですが、あのゴジラインパクトは私のようなミーハーには衝撃でした。ほんとに勝てるのか最後までハラハラしっぱなしで観られました。

人間サイドについて

対する人間も負けてはいられないのですが、何というか、ほんとに現実的だなあと思いました。ゴジラの所管官庁を考えるとか、指示はどこの省庁に出されただとか、官邸でリアルに行われていそうなやりとりが多くなされている印象を受けました。特に自衛隊の運用において首相の判断を問うシーンが多く見受けられましたが、前例のない判断をするのがいかに難しいかをよく描写していると思いました。また特命チームが組まれた時の、「ここでの行動は人事考課に一切反映しない」という台詞が面白すぎました。特に、ゴジラを単に撃退するだけでなく外交戦も行う辺りが、現実を反映しているなという印象でした。

あとネットでよく批判されている石原さとみの英語ですが、私は完璧な演技だったように思います。第一言語が英語で日本語も話せる現地住みの人って、ああいう感じで話します。いやほんとに。知り合いにもあんな感じの人がいます。感服してしまいました。

まあ観てみて損はないと思う

何だかんだ言いましたが、普通に面白い映画でした。ゴジラ大好きな友人もいたく満足していたので、コアなファンもミーハーも十分に楽しめるものになっているのではないかと思います。台詞量が凄く多いので話についていくのが難しいかもしれませんが、そういう時には動きだけ追っておきましょう笑