人生短し走れよ私

人生のピークを過去に設定するにはまだ早いんじゃない?

スキルのない新卒が"ド"ベンチャーに就職しない方が良い3つの理由

スタートアップに転職して1か月が経ちました。年始4日から働いていたのですが、正直一瞬で過ぎてしまいました。修了考査の結果も出ていないし何となくの停滞を感じつつも、平日は仕事で忙殺されていたので余力もなく、という感じでしょうか。体力と時間のある時はPython勉強してました。

さて本題ですが、この世に数多ある会社に新卒でどこに入社するかってそれなりに大きい選択かなと思います。まあこのご時世、やろうと思えば本人の意志で変えられるものも大きいですが、やはり社会人の時間の大半を持っていかれる仕事選びはよくよく考えた方がいいのではないかと思います。というわけで久々の就活系記事です。

定義

まず用語の定義をしておきます。世の中スタートアップだベンチャーだなんだと片仮名用語が飛び交っていますが、ここで言うベンチャーというのは"ド"ベンチャー、つまりエクイティファイナンスで億単位の資金調達しているだとか、従業員が既に十数名いるだとか、そういうのは対象外です。従業員数が数名から一桁、財務的な手当てをしっかりしないと数カ月で資金ショートの恐れ、顧客の開拓ルートは社長のつてか既存顧客の紹介が主というような、そういう会社をベンチャーと言うことにします。

スキルのない新卒がベンチャーに入ってはいけない3つの理由

社会人汎用スキルを学ぶ機会は業務時間に存在しない

ベンチャーに研修なんぞありません。OJTと言えば聞こえがいいですが、いわゆる社会人が基本的に身に着けておくべき汎用性の高いスキルを身に着けるのが難しい環境です。例えば名刺交換(時節柄流行りませんが)などのビジネスマナーや議事録取り、社会人としてのコミュニケーションなど。この辺り、大手企業は研修でカバーしてくれます。今だから言えますが、研修に出て勉強させてもらってるのにお給料が発生するって凄いんですよ。企業にとってはそれが投資になるから新入社員へ研修を受けさせるのですが、ベンチャーには余裕がないので日々の業務から学ぶことになります。結果として、関わる仕事によって「常識」に物凄いギャップが生まれる可能性があるので、あまりお勧めはできません。

「失敗」は許容されない

よく失敗は成功の種だ、失敗して成長するんだ的な話があります。これは100%真実です。私も前職でそう実感しました。いわゆる「大きな」ベンチャーは挑戦を奨励していますが、"ド"ベンチャーの案件で失敗は許されません。なぜか。案件数が少なく、また顧客の開拓ルートが顧客の紹介である以上、目の前の仕事を顧客の期待値以上でこなさなければ事業活動で詰むからです。大企業(大きなベンチャー)は従業員の頭数も多いし資金に余裕もあります。失敗は上長が巻き取ってくれ、また致命的なミスでなければ注意程度で済むでしょう。それは失敗が会社全体に及ぼす影響が小さいからです。しかし"ド"ベンチャーにおける失敗においては「致命的」の閾値がはるかに低いです。そのため、新卒とか中途とか関係なく基本的に失敗は許容されません。社風とかそういう問題ではなく、構造的に失敗を許容できるゆとりが営業的にも財務的にもないのです。全社で綱渡りをしているので一人コケるとダメージが一気に波及します。

お給料は「貰える」ものではない

大企業の人は20日とか25日とかに自身の口座を見ると給与が入っていると思います。もちろんベンチャーでも給与は入ります。しかし転職して感じたこととして、今この瞬間に行っている労働は収益に直結しているか?と常に考えることが求められるなと思いました。つまりお給料は受け身で「振り込まれる」という性質のものではなく、自らの手で主体的に「稼ぐ」という感覚になります。スキルのない、すなわち学生時代に主体的に何かした経験のない人がこんな環境にぶち込まれたらめちゃくちゃしんどいと思います。もちろんベンチャーも会社なので相応に雑務は発生します。そのため、何もできない人がきたらそういった雑務を任せることになるのかなという感じになります。上2つにも関連しますが、そこで学べるスキルは偏ってきますしウキウキで入った結果雑務だらけというのもモチベーションに影響するかと思います。

おわりに代えて:どんな人がベンチャーに行くべきか

まあスキルのない受け身の新卒がベンチャー選ぶかと言えばNoだと思いますが、社長に惹かれてみたいなパターンはままあるかと思うので。大体社長は起業という行動を起こしてるので腹据わってますしぶち抜けた何かを持っています。それがキラキラ見えるのは理解できますが、大体その人大手企業出身ですよ。

ただ、ベンチャーには特有の楽しさがありまして。あちこちから問題が発生し、火消しをしながらフロントもバックも関係なく仕事を捌き(マルチタスクとは次元が違います)、常に焼け野原の環境においてゼロからイチを生み出し続けるので、大企業と比較して会社の大きくなるスピードと環境が変わるスピード、自身の能力の向上するスピードが比例するんですね。広いオフィスへ引っ越そうとか、大手だとあまり経験できないのでは。

会社での活動を自分事として、ありとあらゆるものを成長材料にして、なんなら社長を超えて下剋上しようと考える骨のある新卒は、大企業に行って組織力学や年功序列で牙をもがれる前にベンチャーに行くのもありかもしれないですね。私は転職組なので言いきれませんが。あと何等か使えるスキルがある人は重宝されます。まあこれはどこでも、な気もしますが。

繰り返しますが、この話は"ド"ベンチャーが対象ですから、そこ勘違いなさらず。多くの会社は研修もありますし多少の失敗は許されますしお給料は貰えるものです。ただ上に書いたような事情を抱えるベンチャーもままあるので、本当に腹決めない限りは、殆どの人は大手等に行ってお作法を勉強させてもらってから転職を考えてもいいかもしれませんね。ではでは。