胸襟を少しだけ開きたい

大学生が考えたことをつらつら書いていくブログ。本日の昼食から留学生活、勉強法から料理まで手広くカバー。

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L'homme n'est qu'un roseau, le plus faible de la nature, mais c'est un roseau pensant.

アニメの感想『機動戦士ガンダム 鉄血のオルフェンズ』

こんにちは。今回は機動戦士ガンダム鉄血のオルフェンズの感想をまとめたいと思います。
私はガンダム作品が好きでして、すべては見ていませんが、それなりに視聴してきました。このシリーズは、小学生の時に友人が機動戦士ガンダムSEED DESTINYの主人公(?)機であるフォースインパルスガンダムのプラモデルをくれたことがきっかけで知りました。それから平成シリーズを中心に視聴を始め、ゲームなどもプレイしています。

そして今回紹介する鉄血のオルフェンズは、シリーズ最新作です。私の留学中に1期が始まり、最近2期が終了し完結しました。主人公を含めた少年兵たちが、生き延びるために武器を手に戦っていく物語です。この作品なのですが、1期と2期の間でかなり方向性が変わったというのが率直な感想です。というのも、1期は主人公サイドの主体性や方向性が強調されていたのですが、2期では強大な力に流されて翻弄されているように感じたからです。

例えるなら、1期は少年誌に連載されるような内容で、2期は青年誌で連載されるといいましょうか。やくざガンダムとも批評されているように、作中には義理や筋といった言葉や概念が多く登場します。1期2期ともに裏では大人同士のドロドロした利害関係が展開されているのですが、1期ではそういったものをひっくり返すような思いの強さが表現されていたのに対して、2期ではそうしたものに対する無力感が作品に蔓延しています。理想と現実といってしまえば簡単な表現になりますが、結局のところ巨大な組織や策謀には敵わないというメッセージが最後に残った格好です。ですから最終的にカタルシスはありません。この辺が対象年齢を引き上げているように感じました。妙に現実的な辺り、何となく脚本の鴨志田さんの影響を感じました。

また登場人物の死というのもストーリーを動かしますが、やはり前半と後半では意味合いが違うように映ります。前半では主人公サイドの参謀役のビスケットが死ぬのですが、この死によってオルガは葛藤します。自分のやっていることは果たして正しいのだろうか、皆のためになっているのかと考えるきっかけとして、主要キャラクターの死というものが表現されていると思いました。しかしながら、2期の特に最後5話くらいでは、物語をたたむためにどんどん登場人物が死んでいきます。この死によってもたらされるのは、相手との絶望的な戦力差以外ないような気がしました。確かに人の死は物語にアクセントをもたらしますが、あまりにも多くの人物が短期間で死んでいくため、一人ひとりの死に意味を見出すのが難しいと思いました。そして最後には主人公の三日月も死ぬのですが、ラストシーンの暁の登場で、死を超えて生き続けるという雰囲気が出ます。しかしそれは主人公を殺して得られるメッセージとしては直接的で軽いのではないでしょうか。私は視聴中にこうしたことを考えたので、作品の余韻というか想像の余地というものが少ないように感じました。

さてガンダムには様々な機体が出てくるのですが、今回はなかなか格好いいデザインの機体が多いように感じました。また本作の特徴として、ビーム兵器がほとんど出てこないというのも面白いです。基本的は実弾を撃ったり殴り合いをしたりするため、映像として見ごたえはあるなあという感想です。しかし、2期後半に出てくる条約で禁止された兵器のダインスレイブには本当に納得がいきません。戦艦や輸送船すら簡単に落としてしまう力を持った兵器が、特に最後には無造作に使われています。そしてそれは主人公を殺す兵器となります。重要なシーンであるにも関わらず、超遠距離からの攻撃で無抵抗に殺されるというのは理解しがたいです。今までのモビルスーツ戦闘はいったい何なのかということになります。だったら逆族という立場になったマクギリスを殺すのだって簡単だろうと。そして違法兵器なのにあれだけの数を配備できるだけ生産しているというのも違和感があります。そういう意味で世界観に合わないと感じました。

まあ総合的には面白かったのですが、ラスト10話くらいで評価がガタ落ちしました。でもストーリー以外は完成度高めだったと思います。