人生短し走れよ私

人生のピークを過去に設定するにはまだ早いんじゃない?

ヒーローになりたかった

私は子供のころから、日曜の朝に放映されていた特撮が大好きでした。何らかの理由で選ばれた戦士たちが、世界征服を企む悪の組織と戦うという内容が本当に好きでした。いくつかのシリーズを見てみると、リーダーが優秀な兄の代役で選ばれた落ちこぼれの弟だったり、単に巻き込まれただけの民間人だったりします。自分の生活や様々な葛藤と戦いながら、それでも死の危険が迫る戦場に赴く。それってとてもカッコいいなと幼心ながら思いましたし、今でも思っています。

私の将来の夢はヒーローになることでした。昔は漠然と考えていた「悪いやつら」、今では既得権益にしがみつく大人でしょうか、そういう人たちを正義の名の下に倒していく。そしてみんなを笑顔にするんだと本気で考えていました。しかし、現実はそんなに甘くありませんでした。私はヒーローになるための才能が欠けているような気がしました。まず小学生の時に、私はあまり運動能力に秀でていないことに気付きました。また先天的に目が悪いこともわかりました。とりあえずテレビに出ているようなヒーローにはなれないということがわかりました。そして高校辺りで、人を惹きつける存在感に欠けていることにも気付きました。

それでもヒーローになる夢は諦めきれませんでしたので、目の前のことに挑戦し続けました。みんなを助けるためには学が必要だと思い、懸命に勉強しましたが、当時の志望校には不合格という無慈悲な結果が叩きつけられました。語学力に秀でる必要もありそうだと英語も勉強していますが、未だ使いこなせるようにはなっていません。

ここまで生きてきて幾度となく挫折を繰り返した結果、ついには努力することにも疲れ始めました。私にはヒーローに必要なメンタリティもなかったのです。でも、未だにヒーローになる夢は捨てきれていません。その葛藤が私を苦しめます。自分にはすごいことができるんだという思い込みを何とかして排除したいと望むものの、それを失ってしまってはこれからどのように生きていけばいいのかわからない。

まあ頭ではそれなりに気付いています。ひょっとしたら将来化けるかもしれませんが、現状ではまあ極々一般的な人間の出せる成果くらいしか出せないということを。後は心とのすり合わせですが、それがうまくいきません。

もうやーめたって色々投げ出せたら良いのでしょうし、そうしたくもなります。そんなことを考えても来週の中間考査はやってくるので、ちゃんと勉強しないとですね。