人生短し走れよ私

人生のピークを過去に設定するにはまだ早いんじゃない?

実際「楽」という要素はなかった

私は現在アメリカに留学しており、7ヶ月が経過しようとしています。交換留学だったり給付型の奨学金を受けていたりするため、さぞかし留学したくてたまらなかったと思われがちですが、実はまったくそんなことはありません。それどころか出発当日まで行きたくないと思っていましたし、来た直後から帰りたいと思ってきました。

私の同級生の多くは現在留学をしています。彼らは日本に帰りたくないと口々に言っていますし、実際それが正しい留学生の姿なのでしょう。彼らの多くは将来世界を舞台に活躍したいとも言っているため、狭い島国の日本より性に合うのかもしれません。

一方私はというと、心もとない英語力で日本でもしたことのない独り暮らしを始め、アメリカの食べ物が口に合うわけでもなく、金銭的にもゆとりもなく、日頃楽しんでいた娯楽も奪い取られ、大好きな家族とも離れ離れになってしまったので、楽しいところなんてなかったです。「楽」という字からは楽しいという言葉と楽(らく)という要素があるような気がします。私には留学に関して特に両方とも感じることができませんでした。上記の理由から特に楽しくはなく、英語力が不足しているので楽でもなかったです。もちろん観光地巡りなどは楽しかったですが、それは観光で十分楽しめるわけです。留学という環境で限定的に起こる様々なことでは、残念ながら何も楽しいことはなかったです。

最初のうちは楽しまなければならない、なぜなら高い費用と長い時間をかけているのだからと、必死で楽しもうとしました。しかしそれは無理でした。それではいけないのではないかと、自分を責めていました。

でも最近になって気付いたのは、この留学は自分にとって修業期間なんだということです。例えるなら自転車に乗るための練習で転びまくるような期間です。この期間って必要ですけどできることなら回避したいですよね。私の留学はこれに相当します。私の将来を鑑みるに、この留学は非常に貴重で有意義な時間になっています。しかしできることなら回避したいし今すぐにでも逃げたいです。必要なことなので踏ん張っています。そして結局私にとってのホームは日本であって、海外は戦場ということもわかりました。海外は休めるところではないんだなあと。

こういう風に割り切ると、楽しめないことに罪悪感を持つことはなくなりました。もちろん楽しむのが一番良いとは思いますが、次善の策としてよいのではないでしょうか。もし留学しているけど楽しくないという方がいたら、無理して楽しもうとせず、少し視点を変えてみるのも良いのではないかと思います。