人生短し走れよ私

人生のピークを過去に設定するにはまだ早いんじゃない?

そんなのは欧米では当たり前だよ

グローバル化が進んでいく中で、日本の伝統的な制度は国際比較されるようになりました。例えば労働の分野では終身雇用制度や年功序列制度が成果主義と比較されたり、私の身近なところでいえば、大学の授業料に関しての議論でしょうか。

何の制度を取り上げても、多くの人が口にするのは「欧米では〇〇なんだ。日本は遅れている」という趣旨の発言です。日本の制度は欧米に比べてよろしくない、だから欧米を見習って変えていかなければならないという意見は様々な議論で聞こえてきます。

確かにそういう考えは一部では正しいです。少子高齢化対策で結果を出しているフランスなど、欧米の政策や制度には見習うべきところがたくさんあります。しかし、欧米というなんだかよくわからない概念は用いるべきではないんじゃないかなあと思います。そもそも範囲が広すぎます。例えば国土の広さや政治システム、大きな政府を目指しているのか小さな政府を目指しているのか、などなど、そんなに安易に一括りできるものではないと思います。

よく大学の授業料の話で、欧米の授業料がどうたらという話を聞きます。しかし実際にアメリカで留学していると、教育ローンを凄い額借りている学生も一定数いるようです。そもそも授業料の基本金額はアメリカの方が何倍も高いです。1年に数百万はザラな世界なので、scholarshipを取れなかった学生は日本のようにローンを組んで授業料を払っています。その一方で、ドイツなどの国は大学の授業料が基本的に無料です。このような詳細な事実を無視して、欧米という括りで議論するのはあまり誠実ではないんじゃないかと思います。

歴史的に、日本は技術や文化を取り入れて改良するのが得意な国だと言えると思います。うまく外国の良い制度を真似て日本の問題を解決できるといいですね。